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「アレは俺の前では必要ないと言っただろ?」
部長には私の行動はお見通しのようだ。
「だいたい、君には似合ってない」
「ひ……ひどいです」
「本当のことだ」
部長の言葉に朝から酷い顔がさらに酷いものになりそうになりながら部長を睨むと
「……ない方が視野が広いだろ?」
と、言ってプレートの上のスクランブルエッグに視線をやった。
私もそれにつられるように盛り付けの終わったスクランブルエッグを見つめた。
添えられた野菜の彩もよく、タイミングよくトーストまで焼き上がった。
そして、トーストの次にテーブルに運ばれてきたのは野菜のたっぷり入ったミルク色のスープだった。
私は部長の手際のよさに感心を越して、言葉を失った。
すると、部長が自分の席のイスを引く。
「冷めないうちに食うぞ」
「は、はい……」
私も少し遅れて席に着いた。
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