開かれた扉

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部長の作ってくれた朝食は、思った以上に美味しかった。 「……部長。料理も出来るんですね?」 「君は出来なさそうだな」 部長は自分の返事をする前に私にダメ出しした。 けれど、事実なので否定できないのも少し悲しい。 空腹と優しい味の相乗効果で、私は朝食を一気に食べてしまった。 「美味しかった……。 ごちそうさまでした」 私が手を合わせると、先に食べ終えていた部長が紅茶を淹れてくれた。 まるでホテル並みのサービスだ。 どんな茶葉を使ったのか、テーブルの上は清々しい柑橘系の香りが広がった。 それがいつしか部屋中に広がり、 部長との朝に広がっていった……。
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