開かれた扉

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「皿は洗えるんだな?」 「……これくらいはできます」 「ちなみに、食器洗浄機はその下だ」 「え。」 泊めてもらったお礼と、朝食のお礼に後片付けは私がしたけれど、結局のところ、私がしたのは食器洗浄機に食器を並べるだけだった。 部長の部屋に長居をする理由もないので片付けの後、部屋を出る準備をした。 昨日濡らしてしまったパンツもすっかり乾き、着替えを済まして借りた部屋着を小さく畳んだ。 顔の手入れをしていないせいで、肌が乾燥して悲鳴をあげている。 こんな時、もう若くないんだなってことを痛感する。 私は最後にサイドテーブルに置きっぱなしになっていた眼鏡をかけた。 「部長、そろそろ帰ります」 私は支度を終えて寝室を出た。
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