開かれた扉

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「酒の場を利用して、上司って立場も利用して。 君を倒れるまで飲ませるなんて、汚いじゃないか?」 私は激しく首を振った。 「違います!誤解です! みんなでいるのが楽しくて、久々の飲み会に勝手にはしゃいで、ついついお酒が進んじゃったんです。 でも、全部、自分の意思で飲んでましたし、具合が悪くなったのもお酒が原因じゃないんです」 「……酒が原因じゃないって……どういうことだ?」 「すみません……。上手く説明できないんですけど。とにかく徳島部長は全く関係ないんです」 私は部長の唇に出来た切り傷を思い出していた。 「徳島部長は……何も汚くありません。 何も……悪くないんです」 「……随分と彼のことを庇(カバ)うんだな?」
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