885人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、部長も缶ビールをテーブルに置いた。
「俺が君の何を知ってるというんだ?」
すぐに、聞いた自分が馬鹿だったと気付く。
これでは何かがあるのだと告白しているのに等しいではないか。
逆に部長に尋ねられて顔を伏せる始末だ。
「いえ、何でもないです……」
部長はそんな私をしばらく見つめていた。
その視線に耐え切れなくなった私は話題を変えた。
「私を長野の店舗から本社へ異動させたのには、何か他に理由があったんですか?」
私はそこまで言いながらあり得ないようなことを思いついた。
そして、それをそのまま口にした。
「もしかして、本当の理由は別にあって、社長の秘書になるという方が口実なんですか……?」
最初のコメントを投稿しよう!