開かれた扉

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「またって……」 またここに来ることなんて、 ……あるんだろうか。 「……もう、来ないと思いますけど」 「いや、来るよ」 部長は即答した。 経理部では一、二ヶ月に一度飲み会をしていると言っていた。そのタイミングを言っているのだろうか。 「私、もう意識失ったりしませんから」 あれは例外中の例外で、全くの予想外の出来事だったのだ。 すると、部長は「そうだろうな」と小さく笑った。 「じゃあ……」 私が口を開くと、部長がそれを掻き消すようにはっきりと言った。 「今度ここに来る時は、君は自分の意思で来ることになる」
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