開かれた扉

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「……すみません」 私は気が昂ぶったまま、怒ったように謝った。 すると、その言い方が気に入らなかったのか部長が私を睨んだ。 「それを言ったらまたするぞ」 「や、やめてください!!」 私はソファから立ち上がった。 部長が怒っていたのは私の言い方ではなく言葉。 「じゃあ……ありがとうございます。 ベッド、お借りします」 私はありがとうと言い替えて寝室へ向かおうとした。 すると、部長がもう一度私を呼び止める。 「寂しかったら一緒に寝てやるぞ?」 「結構です!」 私は大股で歩いて隠れるように寝室に入った。
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