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静まり返ったロッカールームで
私はまだ、自分がどうすべきなのか考えあぐねていた。
行かなければどうなるのかは容易に想像できた。
彼は私の過去を知り、そして、今、私の名前を知り得た。
私は彼の名前も何も知らない。
彼が電話越しに私の名前を呼んだのを思い出して身震いをした。
だからと言って、彼の言う通りに行ったとしても、私にとってプラスになるとは当然ながら思わなかった。
行っても……行かなくても……
最悪の状況だった。
これが私の犯した過去が生み出した現実。
目を閉じて深呼吸をする。
どうしていいのかわからなくなったこの局面で、
脳裏に浮かんだのは……
……徳島部長だった。
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