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部屋を出て逃げるようにその場を立ち去った。
何かに引きずり込まれてしまそうで、私は振り返ることも出来なかった。
夢ならいいと思うのに、
手のひらで握りしめる証が私を現実から逃してはくれない。
私はエレベーターを待つわずかな時間でさえもじっとしていられず、上りの矢印ボタンを落ち着きなく何度も押した。
到着したエレベーターの扉が開くなり滑り込むように乗り込むと、運よく誰も乗っていない。
私は周りをたいして確認もせずに扉を閉めるボタンを連打した。
私の気持ちとは裏腹に、ゆっくりと閉じるドアにじれったさを感じながらエレベーターが動き始めたところで、
呼吸をすることを思い出したかのように深呼吸を一つした。
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