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彼女はこんなに楽して稼げる仕事はないと、私に笑顔を見せていた。
けれど、本当は楽さとはかけ離れた、家族へのための我慢だった。
彼女は辛いことだと承知の上で、私を執拗に誘っていた。
考えてみれば理不尽な話だ。
だけど、そうしなければならないほど、彼女にとってのそれは辛すぎるものだったんだろう。
誰かと一緒なら……
辛さも半分になるとでも思ったのかもしれない。
私はゆっくりと移動してベッドの端に浅く腰を降ろした。
すると、彼は先程言った通りとりとめのない世間話を始めた。
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