過去との対峙

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「遅かったね。もう来ないかと思ったよ」 彼は私に背を向けて言うと、ゆっくりと振り返った。 「でも、来ないわけにいかないよね?」 私は何とか平静を保とうとしたものの引き攣る顔の神経までは 自分ではどうすることも出来なかった。 「あの、先にデータの復旧とエラーになってた分のデータいただけますか?前回の入室記録も記入しますから」 ぼんやりとしながらも淡々と話す自分に驚いた。 すると、彼はわざとらしく大きなため息をついた。 「そんなに焦らなくてもいいだろ? そうだ。今日はいいものを持って来たんだよ」 ……いいもの……? 私は心の中で聞き返しながら、眉間に思い切り皺を寄せた。 すると、彼はデスクの引き出しからA4よりも一回り小さい茶封筒を取り出した。
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