第1章

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そこは人目のつかない場所にある 看板には「あなたの想い出買い取ります」とだけ書かれている 一見中古品を取り扱う店に見えるがそうではない 個々の想い出、つまり記憶を売買する店である 幸せな想い出であればあるほど高価であり、不幸な想い出であればあるほど安価だ 値段設定、買うか売るかは店員のさじ加減 店員はいつも同じ高校生くらいの少女 物静かでミステリアスな雰囲気を漂わせている 彼女にはビー玉サイズの特殊な小さなガラス玉に人の記憶を保存させる力がある ホームページも無く、地図にも載っていない店だが、客は噂を元に見つけ出して来店する様だ
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