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いつもならすぐに目を逸らしてしまう私も、
今はそうすることが出来なかった。
彼の視線が私を縛っていたからではない。
私自身がその答えを知りたかったからだ。
部長の目を真っ直ぐに見つめ返す。
部長が私にずっとそうしてきたように。
涙が静かに頬を伝う。
その中でひときわ大粒の涙が零れ落ち、眼鏡のレンズをわずかに濡らした。
その答えが……
……わかったからだ。
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