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私は部長の腕の中。
抱きしめる腕の強さに私は全身を委ねた。
全身から染み渡る安堵に身体から力が抜けていく。
そんな私の身体を部長の腕が力強く支え、
部長は私に口づけをするために顔を近付けた。
けれど、部長は唇が触れる間際にそれを止めた。
私がゆっくりと目を開けるとほんの数センチの距離で視線がぶつかった。
「もう……いらないな?」
「はい……」
私が返事をすると、部長は私の眼鏡をゆっくりと外した。
私の瞳が眼鏡越しにではなく部長の目をとらえた瞬間、
目には熱い涙が湧き上がり、
私は部長の背中に腕を回していた。
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