眼鏡の向こう

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「さて、本題だ」 しゃがみ込んだ私の頭上から部長のキレのある声がした。 顔を上げると、部長の顔色が変わっていた。 「木戸君、君は彼女をここに呼び出すために、意図的にシステムに細工したのか?」 「単なる偶然ですよ」 「そうか。じゃあ、君はこれで一体何をしようとしたんだ?カメラまで用意して、随分と準備がいいじゃないか?」 部長は散らばっていた写真を手早く茶封筒に仕舞った。 「これは俺と彼女の問題です。部外者は口を挟まないでもらえますか?」 「……部外者?俺が?ここは会社で俺は彼女の上司だ。君こそ口の利き方に気を付けろ」
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