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「安藤ちゃんが眼鏡外してきた時から妖しいとは思ってたけど……
好きな人の好みに合せるなんて健気じゃないの!」
「ホント。ホント」
「だから、違いますって!」
「いいの。いいの。照れなくて。こりゃ明日は部長に報告だね。『安藤さんが眼鏡を外したのは彼氏の影響です』ってね」
「な、何で部長に報告なんですか!?」
「……なんとなくだけど」
「と、とにかくいいですから。報告しなくていいですからね!」
「安藤ちゃん、ムキになってる~」
みんながケラケラと大声で笑った。
この夜は
いつも以上のペースで飲んだはずなのに、変な汗をかいたせいなのか、全く酔うことが出来なかった。
けれど、いろいろな意味で二次会までは心身共にもちそうになかった。
私が一次会で離脱を宣言すると、みんなが声をそろえて言ったのだ。
「彼氏との約束なんでしょ~」
「違いますよ!!」
そう否定した私の顔は言葉とはちぐはぐだったかもしれない。
口元が緩むのを必死に耐えていたのだけれど……。
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