番外編【私のヒミツ。彼の酒癖】

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「……待つのは苦じゃないので……大丈夫です」 私が答えると、今度は大きなため息が聞こえてきた。 『……それはそれでありがたいが、 変な男に声かけられるなよ』 ……あ。 気にして……くれてるの? 私は電話の向こうの部長に向かって微笑みながら 「大丈夫ですよ」 と、念押しするように もう一度ゆっくりと返事をした。 私は何をするわけでもなく、ただ立ち止まって部長を待った。 ……待つのは苦じゃない…… それは事実だけど、正しくは但(タダ)し書きが追加されるのだ。 『部長を待つのは……』苦じゃないと。
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