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待っている間は少しも落ち着かない。
部長とは今日一日一緒にいて、
つい先程まで一緒にいたのに……
早く会いたいと思ってしまう。
それに、今夜は聞いてみたいことまであるのだから。
それから部長はほぼ宣言した時間通りにやって来た。
「待たせたな」
「いえ……大丈夫です」
私が返事をすると、部長はしばらく私を見つめる。
だから私は慌てて付け足した。
「男の人には……声、掛けられてないですし」
「なら、いい」
部長はその言葉で初めて顔を緩め、「行くぞ」と、言って私に背を向けた。
「……部長って……意外と心配性なんですね?」
私が部長の背中に言うと、
部長は……
どうやら聞こえないフリをしているのか無反応だった。
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