番外編【私のヒミツ。彼の酒癖】

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部長との初めての待ち合わせに久しぶりにドキドキしてしまったのは否定できない。 だって、異性との待ち合わせなんて、もう何年もしていないのだから。 考えてみれば、私はそういう意味で恋愛初心者なわけで、五年というブランクが明けた直後の相手が部長のような人なので、 実際のところ、心の中はてんてこ舞いなのだ。 それに加えて部長と私は上司と部下。おまけに同じ部署ときているのだ。 私は部長より半歩後ろを歩きながら首を左右に振りながら視線を忙しなく移動させていた。 それに気付いた部長が歩調を緩めて私の真横に並ぶと、呆れたように言った。 「……何してるんだ?」
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