番外編【私のヒミツ。彼の酒癖】

26/27
前へ
/27ページ
次へ
「……会社の人がいるかもしれないから……」 「そんなのいたってかまわないだろ?隠そうと思ってるのか?」 「だって……また……噂になるし……」 部長は私を睨んだ後、ゆっくりと口角を吊り上げた。 「確かに君はいろんな噂があったな。『社長の愛人』に『秘書室長の恋人』」 どこか嫌味のこもった言い方に、私は軽く部長を睨み返した。 「……言わないで下さいよ」 尖った唇がなかなか元に戻らない。 可愛くないのは百も承知だ。 すると、部長は突然私の手を取った。 「部長っ!?」 手を取られたと同時に部長の方へ引き寄せられたので、バランスを崩して部長にぶつかる。 密着した私たちの間では、しっかりと手が繋がれていた。 「部長!!誰かに見られてたらどうするんですか!!」 私が手をほどこうとすると、部長は離すまいと力を込めた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

842人が本棚に入れています
本棚に追加