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「安藤ちゃん……?」
「……え?」
「え、じゃなくて」
「あ、すみません。何か……?私、ボーっとしてました?」
「ボーっとどころじゃなく、ポーっとしてた。しかも、なんか、一人で照れてたし」
「え!?そ、そ、そんなことないですよ!?」
私は緩んでいただろう自分の頬を手のひらで覆い隠しながら、そのままほんのり熱くなる顔まで誤魔化した。
「安藤ちゃん、最近ちょっとおかしくない?」
私に顔を近付けて詰め寄ってくるのは宇野さんだ。
「……おかしく……ないですよ」
私は少しのけ反りながら返事をした。
「……ちょっと、夕べの夢を思い出しちゃっただけです。私の……好きな俳優が出てきたんで……」
もっとまともな言い訳が思いつかないのだろうか。
私は自分に呆れながら宇野さんから目を逸らした。
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