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「安藤ちゃんの好きな俳優って?」
「……えっと……」
私が焦り始めると、そこで午後の始業のチャイムが鳴って救われた。
「ま、続きは今夜ゆっくり。楽しみだよね~。一ヶ月ぶりの飲み会」
「は、はい……。楽しみですよね」
私は頬の手をやっとどかして彼女に少しぎこちなく笑顔をつくった。
そう、今日は華の金曜日。
経理部で、私の歓迎会から約一ヶ月ぶりの飲み会が開かれる。
みんなのテンションはすこぶる高く、
事務所はいつも以上に活気付いていた。
もちろん、私だって楽しみにしている。
ただ……
ほんの少し、
ドキドキもしているのだ。
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