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ただ…… ただ……名前を呼ばれただけ。 なのに私はその一言に強く……深く……感じた。 耳に流れ込む熱を含んだ部長の声が身体の芯まで届いていた。 もう一度…… 聞きたかった。 私は部長の首に腕を回した。 部長はそれで私の望みを汲み取ってくれたのか、 私の耳元でもう一度囁いた。 「……香乃子……」 部長の首に回した腕に思わず力がこもった。 部長が名前を呼んでくれるなんて…… やっぱり部長は酔っているのかもしれない……。 耳に残る部長の優しい響きに浸るうちに 部長の手のひらが服を剥いで胸元を這うと 私は身体の中に納まりきらなくなった熱を甘い吐息に換えて吐き出した。
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