718人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういうわけじゃ……。
そういうわけじゃ……ないんですけど……。
そうじゃなくて……」
そう言ってる間に部長の顔が徐々に近づく。
その距離に顔の温度が反応する。
私はグラスから手を離して水滴で濡れた手で自分の頬を覆った。
「……すみません。面倒くさい女で。ごめんなさい。詮索するみたいに。ホント、ごめんなさい」
私が謝ると部長は笑ったままだった。
「嫉妬されるっていうのは……案外気分がいいな」
「嫉妬っていうか……」
「嫉妬だろ?」
私は黙り込んでしまった。
「……少し」
最初のコメントを投稿しよう!