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「えぇ!?」
彼女がグラスに落としていた視線を俺に向けて目を見開く。
その目がその先を聞きたがっているのに、俺は意地悪くそれを焦らす。
すると、彼女の黒目が小さく揺れた。
聞きたいのなら聞けばいいのに、と思いながらその瞳に揺さぶられて俺も簡単に口を開く。
「何て返事をしたと思う?」
「……何て……言ったんですか?」
彼女は恐る恐るといった感じに俺に視線を寄こした。
「まさか、そこで嘘はつかないだろ?『いる』って言ったぞ」
俺が言うと、彼女は顔を真っ赤にしながら身体を固くした。
「それって……私のことですか?」
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