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彼女から出た突拍子もない言葉に思わず吹き出しそうになる。
「他に誰がいるんだ?」
「……そうですよね?はい、そうですよね……」
彼女は照れて顔を隠そうとしたのか右のこめかみの辺りに手を伸ばす。
困った時に眼鏡に触れる癖(クセ)はまだ抜けないようだ。
「それとも、そういう相手が他にいてもいいってことか?」
「だ、ダメですよ!!」
彼女は一瞬の間も無く即答した。
それが可笑しくってまた頬が緩んでしまう。
「どんな人かって、しつこく追及してきたから……」
俺がそこまで言うと、彼女は身を乗り出して俺の言葉を遮った。
「私のこと、言ったんですか!?」
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