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「いや、君の名前は出してない」 俺が言うと、彼女は乗り出していた身体を椅子に戻して大きく息を吐き出した。 そして、そのことに安堵したのか、小さな本音をポロリとこぼした。 「南田さんて……私の同い年なんです。 だけど、いつもお洒落だし、スタイルもいいし、大人っぽいし…… ああいう人に言い寄られたら…… やっぱり嬉しいですよね?」 「同い年なのか?」 「……はい」 「向こうの方が年上かと思ったが」 「だから、大人っぽいんですよ、南田さんは」 「そうか?だが俺は、こっちの方が気に入っている」 俺がわざとらしく彼女を見つめて顔を近付けると、火がついたように顔に赤みが差す。
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