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私は少々怒り気味だけど、当の部長はそれを面白がっている。
「『ああいうこと』ってどういうことだ?」
部長はそれ以上上がらないほど口角を上げた笑顔で私に顔を近付ける。
今日はまだ少ししか飲んでいないはずなのに、
部長の酒癖は顕著に表れている。
「部長の……バカ」
私は小さく呟いた。
すると、それには部長がすぐに反応した。
「今……俺のこと、『バカ』って言ったな?」
「言いましたよ」
「そんな言葉は今まで言われたことがない」
そりゃ……
頭もよくてルックスもいい。デキる男に誰もそんなことは言わないだろう。
もちろん、私だって会社なら言わない。
でも、今は
部長と私は『上司と部下』ではない。
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