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悩む私をよそに、部長は口元を緩ませる。
……アルコールのせいだろうか。
「俺の……何だって?」
「え?何って……」
まさか、そこをつつかれるとは思っていなかった。
「俺の何だ?」
……カノジョ……
答えようにも顔が真っ赤になって言葉が出てこない。
自分で言うのもおこがましいような気がしてしまう。
「バカだな。そんなに悩むくらいなら、俺がみんなに教えてやろうか」
「え?」
「朝礼ででも言うか?」
「もう!面白がらないでくださいよ」
「面白がってなんかない。じゃあ、終礼か?」
どこからどう見ても……面白がっているようにしか見えなかった。
部長はクスクス笑ってグラスの中身を徐々に減らしていた。
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