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私はグラスの表面に浮かぶ水滴を撫でながらまるで独り言のように言った。 それでも部長はグラスを傾けながら、私の次の言葉を待ってくれていた。 鼓動が速まる。 ……なんてことはない。 冗談めかして聞けばいいのだ。 『部長、モテますもんね』 そう言って、笑えばいいのだ。 だけど、実際は自分が思っている以上に臆病で、 自分が想像しているより子供っぽい。 「……最近……誰かに……好きって……言われました?」
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