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言葉にした直後に、言った本人が半分パニックを起こす。 何ていう聞き方をしたのだろう。 これじゃあ……小学生じゃないか。 黒目だけを移動させて部長を見ると、案の定、部長も理解が出来ずに唖然としている。 そして、その後眉間が動く。 「……どういう意味だ?」 「あ、えっと……」 結局はこうなるのだ。 私は迷いながらも彼女の名前を出すことにした。 上手く話を取り繕うことが出来ないのはもう証明済みだ。 「総務の南田さんって……よくお話しするんですか?」 「南田……?」 部長は意外だったのか、その名前を聞いて眉を上げた。 「よくってわけでもないだろ?仕事上で必要があれば話すだけだ」 「……本当ですか?」 「どうしたんだ急に」 「だって……。部長が南田さんに言い寄られてるって……」 私が必死に言い訳すると、当の部長はそれを面白そうに眺めていた。 「で?気になって仕方ないってことか?」
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