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「待ってろ」
部長は鼻で笑って私が抱きついたまま器用に目玉焼きを仕上げてくれる。
今日のスープは何だろうか。
コンソメの香りがしていた。
「早く食べたい……」
私がもう一度言うと、部長はもう一度笑った。
「……したいのか?」
「え?」
「朝から誘われてる」
「え?やだ、違いますよ!!」
私が腕を離すと、部長は眉を下げた。
「さあ、食うぞ」
「待ってました!」
私はおどけながらも、再び幸せを噛みしめるのだ。
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