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そして、週明け――。
「安藤君、朝礼の後社長室に行ってくる。サンヨー印刷の小手川課長から連絡があったら携帯に連絡くれ。急ぎの要件だ。繋いで欲しい」
「わかりました」
朝礼の中で部長は私に指示を出した。
部長はスーツ、私は制服を身に着けて、『上司と部下』になっていた。
部長の目はいつも通り冷めていて、表情もない。
鋼鉄ロボットは健在だ。
私は二人きりのときの部長の姿を思い出していた。
すると、目の前の部長と脳裏に浮かぶ部長がなかなか結び付かず、一人混乱して赤面までする。
「安藤ちゃん、どうしたの?」
斜め向かいから宇野さんに怪しまれながら
「何でもありません」
と、笑顔をつくって返事をした。
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