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私の身体を撫でる部長の手のひら。
私の弱い部分を探る指先。
求め続ける唇。
結びつく身体……
寄せては返す快感の波に揺さぶられ、
溺れそうになりながら必死にあがく。
全て身を任せれば楽なのに、
この歳になって恥じらいが邪魔をする。
だけどもう……
そんなのは無駄な抵抗だってわかっているの。
吐息は声に変わり、
途切れる甘い声色は
小さな叫びに変化していく。
シーツを握りしめる手をほどき、手のひらを重ね、
汗ばむ身体同士がさらに密着する。
後、ほんの少しの摩擦で私はきっと果てるだろう。
だけど、私が堕ちるまでにそんな猶予なんてなかった。
部長が荒い息の合間に再び私を呼んだから。
「香乃子……」
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