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「部長……もうダメ……」
私はうつ伏せになって力の入らない手でシーツをひっかくように握った。
「大丈夫か?」
部長が私の背中から覆いかぶさるように顔を覗く。
「……大丈夫じゃないですよ……」
私はタオルケットを胸元に引き寄せながらゆっくりと仰向けになった。
髪の毛が汗でおでこや首元に貼りついてる。
それを部長が掻き上げながら笑った。
「マラソンでもしたみたいだな」
「マラソンより……激しいですよ」
私は顔を隠すようにタオルケットを胸元からさらに鼻の下まで引き上げた。
「いい運動になっただろ」
部長はまだ笑っていた。
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