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私はまだ治らない自分の癖を誤魔化すのに必死で、
私の言葉に部長が表情を緩めていたのに気が付かなかった。
「せっかくだ。紅茶でも飲むか?」
部長の柔らかい声が返ってきたので、私は顔を上げて胸を撫でおろしながら微笑んだ。
「私が入れますね」
紅茶を入れる手順にもだいぶ慣れてきた。
だけど、やっぱり部長が入れてくれる方が美味しい気がする。
そんなことを考えながら温めたカップを見つめていると、隣に部長がやって来た。
久しぶりの至近距離に急に心臓が跳ね上がる。
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