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朝は誰にも会わなかったので、内心ほっとしていたけれど、 誰かに見られるのは想像以上に緊張した。 だけど、似合っていると言われて、お世辞でも嬉しかった。 「あ、安藤ちゃん、可愛い!」 今度は背中から宇野さんの声がする。 みんなから注目されてしまったので、私はネックレスとピアスを着けて幹事らしく気合を入れた。 「じゃあ、行きましょうか!」 私はパタンとロッカーの扉を閉めた。 そして、心の中でもう一度気合を入れ直す。 ……大丈夫…… ロッカールームの出入り口に身体を向けると、 私の耳元でブルーの服に合わせたお気に入りのピアスがゆらりと揺れた。
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