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「すみません、予約している安藤です」
それほど特徴があるわけじゃないけれど、全員が納まる座敷を確保したくて選んだ居酒屋だった。
落ち着いた雰囲気というよりは、大勢で騒いでも大丈夫な場所といったところだろうか。
総務とは現地集合で待ち合わせており、到着したのは私たちの方が先だった。
「わ、広いねー」
席をどうするかと言い合いながら、まばらに座って待つのもおかしいので、出入り口となる襖(フスマ)に近い方に席を取った。
総務のメンバーが到着するまで、私たちはお決まりの雑談だ。
そんな風に過ごしていると、襖の向こうが騒がしくなった。
みんなでそちらに視線を向けるとゆっくりと襖が開いた。
「お待たせしましたー」
一番最初に顔を覗かせたのは、もちろん、南田さんだった。
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