-4-

2/31
前へ
/31ページ
次へ
翌日―――。 心を覆う靄(モヤ)を完全に振り払えないまま出社した。 いつも通り賑やかなロッカールームで、私はみんなの会話に入ることが出来ずに着替えを済まし、経理室に向かう。 経理室では部長が席で待っていた。 「おはようございます」 みんなに紛れて挨拶をすると、部長はみんなに挨拶を返し、最後に私に視線を残したかと思うと、無表情のまま視線をパソコンのモニターに移した。 私は目を伏せ、ため息がばれないように部長に背を向けると自分の席に着いた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

692人が本棚に入れています
本棚に追加