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始業の準備が整うと、ちょうど朝礼が始まった。
いつものように部長から連絡事項があり、気持ちを切り替えて一日のスケジュールを頭の中で組み立てようとする矢先、
部長が「ああ、そう言えば……」と、何かを思い出したかのようにその先の言葉を溜めた。
部長にしては珍しいので、全員が顔を上げて部長を見る。
『何だろう?』
私も同じように顔を上げると、部長はそれを待っていたかのように切り出した。
「今度……総務との交流を含めて夜、食事をすることになった」
部長がみんなにいつもの表情で報告した。
「え!総務とですか!?」
「え!?いつですか!?」
「どこでですか!?」
部長はみんなの質問には答えず、口元だけで薄ら微笑んで補足だけした。
「詳しくは安藤君に聞いてくれ。彼女が幹事を務めるらしい」
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