692人が本棚に入れています
本棚に追加
みんなが揃って私に顔を向けると、
「じゃあ、安藤君、頼んだぞ」
と、言って、朝礼を締めくくった。
「は……い……」
私の出遅れた返事は誰にも聞こえなかった。
「え?安藤ちゃん、いつの間に!?」
そう叫んだ宇野さんの言葉に連れられて、みんなが私の周りに集まった。
「そんな話があったなんて全然知らなかった!」
「まあ……確かに総務との交流ってほとんどないもんね。てか、経理ってあんまり他の部署とないし」
「だね。私なんて総務の人、ほとんど知らないし」
「ホント。ホント」
「あ、でも……」
みんなが顔を見合わせる。
宇野さんが部長の位置を確認して顔を突き出すと、小声で言った。
「総務といえば……南田さんいるじゃん」
みんなが「あっ」と、小さな声を漏らして頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!