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「やっぱりねぇ」
何人かが同時に呟いた。
「私たちは彼女の企てに参加させられるってわけね」
宇野さんが呆れたように言った。
そこで私はふと、思う。
もしも、今の段階で経理部のみんなが拒否すれば、この飲み会も流れてしまうのではなか。
そうなれば、私にとっては都合がいい。
私はみんなの顔色を窺うようにぐるりと視線を動かした。
けれど、宇野さんの口から出た言葉は意外なものだった。
「でもさ……。
何だか楽しみじゃない?
案外部長がなびいちゃうかもしれないし」
彼女はそう言っていたずらっぽく笑った。
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