692人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ、安藤ちゃんもそう思わない?」
「え?あ、え?」
宇野さんが私を見るので大袈裟に驚いてしまった。
そして、ぎこちなく首を捻る。
「あ、あの部長が……なびきますかね……?」
今度は私が宇野さんの表情を窺う。
私の求める答えは一つだけ。
だけど、宇野さんは私の求めている言葉はくれなかった。
「わかんないよ?
だって、南田さんて、すごい攻め方しそうじゃん?」
宇野さんはまるで面白がっているようだ。
「ホント、興味あるよね?みんなで知らないフリしてこっそり観察しようよ」
「途中、二人で抜け出したらどうする?」
「えー!!あの部長がそんなことするかな!?」
……しない。
しないはず。
するわけない。
私は心の中で呪文のように何度も唱える。
最初のコメントを投稿しよう!