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一度解散すると、二次会は自然な流れで総務と経理に別れることになった。 こちらはご存知のように酒飲みの集まりなので二次会は当然の如く行われる。 私にとってもこれはもう恒例で、特に今日は部長との飲み直しの前にみんなと過ごす時間が欲しかった。 もちろん、部長も参加してくれる。 一方、総務はこれで解散になる様子でみんな散り散りになっていった。 けれど、たった一人、まだ解散には至らないらしい。 「部長……」 部長は私の隣にいる。 「少し……話……聞いてもらえませんか?」 先程よりも随分しおらしい彼女の声。 部長の返事を 私は彼女以上に…… 鼓動を乱して待っていた。
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