-5-

13/32
前へ
/32ページ
次へ
「わかった」 部長は思いのほかあっさりと返事をした。 私は拍子抜けする前に耳を疑った。 「いいんですか!?」 部長を振り向けない私に対して、明るい声色と同時に南田さんの表情も明るくなる。 「ああ。ただし、プライベートな相談は他を当たってくれ。 他に話したいことがあれば君も一緒に来ればいい」 「一緒にって……経理部の……?」 「そうだ」 「え?あ……二人でお話ししたいんですけど」 「悪いが、二人きりでの相談業務はやってない」 二人の会話に心臓がもたなくなりそうだ。 「もしかして……彼女に気を遣ってるんですか?」 南田さんの声が急にワントーン低くなった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

641人が本棚に入れています
本棚に追加