641人が本棚に入れています
本棚に追加
「わかった」
部長は思いのほかあっさりと返事をした。
私は拍子抜けする前に耳を疑った。
「いいんですか!?」
部長を振り向けない私に対して、明るい声色と同時に南田さんの表情も明るくなる。
「ああ。ただし、プライベートな相談は他を当たってくれ。
他に話したいことがあれば君も一緒に来ればいい」
「一緒にって……経理部の……?」
「そうだ」
「え?あ……二人でお話ししたいんですけど」
「悪いが、二人きりでの相談業務はやってない」
二人の会話に心臓がもたなくなりそうだ。
「もしかして……彼女に気を遣ってるんですか?」
南田さんの声が急にワントーン低くなった。
最初のコメントを投稿しよう!