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◆◆◆
部長は席を立って店の外に出てしまった。
部長の姿を目で追っていたことがばれないように、私は部長が出ていった先から視線を逸らし、部屋を見渡すようにして手元に戻した。
その時だった。
「……彼女が何よ」
南田さんが呟いた。
そして、何かを思い出したかのように小さく口を開けかけて私を見た。
「彼女から奪う自信はあるの。ただきっかけが欲しいだけ」
彼女は背中側にあった自分のバッグを手に取った。
「今、部長、外に行ったよね?
……お願い。二人きりにして。
戻って来なくても心配しないでいいから」
南田さんはそういうと、みんなに軽く挨拶をして店の外に飛び出していった。
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