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「なんか、部長の彼女って、イメージと全然違いそうですね」 「それは君たちの勝手なイメージだろ?」 「そうかもしれないけど、彼氏と彼女って、釣り合いっていうのも大切だと思うんですよねぇ。部長ほどの人ならもっと……」 「南田さん、それは部長の彼女に失礼よ」 耳を塞ぎたくなった時、宇野さんが彼女のその先の言葉を断ち切った。 「ねえ、安藤さん」 そして、宇野さんが私に同意を求める。 「え?あ、うん……」 私は曖昧に返事をしながら話題を変えようと試みる。 「みなさん、飲み物は?足りてます?お料理、何か頼みましょうか?」 みんなが自分の目の前を確認して飲み物を追加する。 「部長ももっと飲んでくださいよぉ。私も飲みますから!」 南田さんの手のひらが、再び部長の腕に伸びていた。
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