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神「月夜(ツキヨ)!大丈夫か?」
神殿の中では、寝台に横たわった黒髪に、黒い瞳の女が、顔を綻ばせた。
月「日向(ヒナタ)、大丈夫よ。そんなに慌てなくても平気。
可愛い子よ?あなたに似て。」
日向は、月夜の腕の中で眠る子供の顔を覗き込む。
子供は、銀の髪に、銀の瞳だ。
日「お前に似て美人だ。将来が楽しみだな。」
いつの間にか天使も人数が増えており、
「とても可愛い御子様ですね。」
「お名前は何になさるのですか?」
などとニコニコしながら話している。
日「そうだなぁ、名前をどうするか…。神に始めは性別はないしなぁ。」
月「太陽の陽に、月で陽月(ヒヅキ)はどうでしょう?私たちの名前を合わせたみたいでいいじゃない?」
天「可愛らしいお名前です!」
日「陽月…陽月か。良い名前だ。陽月、お前の名前は陽月だぞ!」
日向が抱き上げた陽月はそれを聞くと、きゃっきゃと笑い始めた。
月「日向。あなたは創造主で、私は絶対神。この場合、陽月も神となるのよね?」
日「あぁ。位の高い神だ。その影響で、この子はすぐに大きくなるだろう。まだ弱く、生まれたばかりの神は狙われやすいからな。」
ほら、と日向が陽月を指差しているので見てみると、陽月が少し大きくなり、自分で立っていた。
月「本当だわ。早く話さないかしら。可愛いでしょうね。」
陽月がなんだか口をもごもごしている。
月「ん?なぁに?」
陽「ん…あ……ま…ま…。」
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