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私と颯ちゃんは、私の部屋にいた。
私を心配した颯ちゃんが家まで送ってくれて、颯ちゃん好きな母が夕飯にさそったのだ。
「秋はさ、変わんないよ」
「......」
「ハルがちゃんと言わないと、気付かない」
「分かってる」
「というか、ハルが言ったとしても・・・」
颯の言いたいことが容易に想像できたので、自分で言いたくなった。
「......何も変わんないんでしょう?」
「ああ」
私も颯ちゃんも、ため息をついた。
「秋ってさ、育ちが複雑じゃん。ただ単に秘密主義なのかもしれないけど、俺らに見せてない顔が幾つもあるんだと思う」
「......幼なじみなのに?」
「ああ。友達は楽しさを共有する仲間だろう?苦しみも分かち合えるのは、ちょっと違う関係じゃないか?」
颯ちゃんは静かに続けた。
「お前と秋、秋とユメさんの関係性は違うんだよ」
「でも、私と秋だってお互い色々さ」
「お前と秋は、友達。秋はその先を望んでいない」
「......」
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