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「あのさ」
2駅程通過した所で、秋が口を開いた。
「何?」
「あの話、ちゃんとしたわ」
「うん」
ハルの胸がきゅと締まった。
「俺のこと、ちゃんと考えてくれてた。そしてあいつにも大事な奴がいるのが分かった」
秋はそれだけ言い終えると、また沈黙した。
ハルも返事をせずに、自分の靴のつま先を見つめていた。
「......」
ハルの靴のつま先に、ぽとりと雫が垂れた。
「は、ハル?」
秋が驚いた顔でハルを見つめている。
「何?」
「な、何じゃないだろう。なんで泣いてんだ!」
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